部屋探しを成功させるためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。特に、初めて賃貸物件を探す際には、何も見当がつかないままスタートしてしまうよりも、事前にコツをつかんでおくことが重要なのです。今回は、スタート前に準備しておくべきことや、物件の正しい見極め方について詳しく見ていきましょう。
コツ1:部屋探しをするタイミングはいつがベスト?
部屋探しを始めるにあたっては、事前の準備がとても重要となります。しかし、スタートが早ければ早いほどいいというわけではなく、適したタイミングがあるのです。
ここでは、部屋探しを始める時期について見ていきましょう。
1~2ヶ月前がベスト
賃貸物件を借りるまでには、入居審査や契約の手続きなどのさまざまな工程が必要となります。そのため、引越しの予定日が決まっているのであれば、ゆとりを持って動き始めることが大切です。
ただ、賃貸物件は基本的に仮押さえができないため、契約をしてから2~3週間程度で入居をしなければなりません。
せっかくいい部屋を見つけても、入居日を先延ばしにしようとすると契約ができない可能性もあるため、スタートを早めればいいというわけでもないのです。
そのため、部屋探しを始めるのに適したタイミングは引越し予定日の1~2ヶ月前だといえます。
コツ2:部屋探しを始める前に決めておくべきこと
賃貸物件をスムーズに探すためには、事前に希望の条件を明確にしておくことが大切です。
しっかりと優先順位が決まっていれば、残す条件と切り捨てる条件の判断がしやすく、希望に合致した部屋が見つかりやすくなります。
ここでは、部屋探し前に決めておくべきことを4つに分けて見ていきましょう。
家賃の上限を決める…家賃の設定方法と相場の調べ方
部屋探しをするうえでは、最初に家賃の上限を決めてしまうほうがスムーズです。家賃は一般的に「手取り収入の3分の1以下」が目安とされているため、まずは毎月の収入から上限額を設定しましょう。
ただ、貯金に力を入れたいと考えている人や、食費や交際費などがたくさんかかる人は3分の1よりも低く見積もっておく必要があります。家賃の上限は、後から下げるのが難しいため、余裕のある金額に設定しておくことが大切です。
家賃を設定するうえで重要となるもうひとつのポイントは、エリアごとの「相場」です。家賃は土地の価格に大きく影響されるため、住みたい地域の相場を把握しておくと目安になります。
LIFULL HOME’S「家賃相場」では、駅や市区町村ごとに平均の家賃を調べることができるため、事前に引越すエリアの相場を確かめておきましょう。
立地を決める
立地は物件の利便性を大きく左右するポイントのひとつです。特に、通勤や通学で頻繁に電車を利用する人は、できるだけ最寄り駅から近い物件を選ぶようにしましょう。
立地の条件は「○○駅まで徒歩10分」といった「徒歩所要時間」で示されており、都心であれば徒歩5~10分圏内がひとつの目安となります。
また、立地の利便性は周辺の状況によっても異なるため、気になる物件が見つかったときには内見前に地図で周囲の商業施設などをチェックしておくことも重要です。
間取りを決める
似たような立地であれば、間取りが広いほど家賃も高くなるのが一般的です。そのため、無理に広い部屋を探そうとするよりも、家賃や立地とのバランスに目を向けておくことが大切だといえます。
今住んでいる部屋の専有面積を調べたり、広さを測ったりして、最低限どのくらいのスペースが必要となるのかイメージをつかんでおきましょう。
こだわり条件を決める
賃貸物件には、「バス・トイレ別」「オートロック付き」「独立洗面台付き」などのさまざまな条件があります。
LIFULL HOME’Sのポータルサイトでは数十種以上の条件から絞り込むことができるため、まずはどのような種類があるのか確かめておきましょう。
そこから、必要な条件をいくつかリストアップして、優先順位をつけておくと部屋探しに役立ちます。おおまかな条件が決まっていれば、スムーズに理想的な物件を見つけられるのです。一人暮らしにぴったりな物件おすすめ特集から賃貸を探す
コツ3:お得に部屋を借りたい! 家賃や初期費用を抑える方法
家賃を抑えたいと考えたときには、物件検索の時点でいくつか工夫しておきたいポイントがあります。ここでは、家賃や初期費用を抑えるコツを見ていきましょう。
家賃の安い部屋を探すコツ
家賃を抑えるためには、物件検索の条件を上手に緩めることが大切です。まずは、立地や間取り、こだわり条件のなかから優先順位の低いものを除外し、少しずつ条件を広げていきましょう。
たとえば、立地の場合は「急行停車駅だけでなく隣の各駅停車駅にまで目を向けてみる」「最寄り駅から徒歩15分以内に枠を広げる」といった方法が挙げられます。少し条件を緩めるだけでも、選べる物件が一気に増える可能性があるのです。
また、築浅の物件にこだわって検索をしていた場合には、築年数を緩めることで意外な好条件の物件に出合える可能性があります。
築年数が経過していても、リフォームやリノベーションなどで部屋がきれいに改装されていることもあるため、上手に家賃を抑える有効な手段のひとつです。
初期費用を抑えるコツ
初期費用を抑えるためには、「敷金・礼金なし」の物件を探したり、仲介手数料が抑えられる不動産会社を探したりする方法があります。
敷金と礼金、仲介手数料はどれも家賃を基に計算されるものであるため、初期費用を大きく抑える重要なポイントとなるのです。
また、入居後の数ヶ月にわたって家賃を免除してもらえる「フリーレント物件」を探してみるのもひとつの方法です。
入居してからの1~3ヶ月、長いところでは半年近くまで家賃の支払いを免除してもらえるところもあり、金銭的なメリットはとても大きいといえます。家賃・賃料7万円以下の物件リノベーション・リフォーム物件
コツ4:安すぎる物件に注意! おとり物件の正しい見極め方
インターネットで見かける物件情報のなかには、実際には存在しない「おとり物件」が紛れ込んでいることもあります。
こうした物件は実際に借りることができないため、不動産会社に足を運んでも時間の無駄になってしまう可能性があるのです。
ここでは、おとり物件を見極める方法について解説していきます。
おとり物件が掲載されている理由
おとり物件が掲載されている理由のひとつには、不動産会社が集客のために利用しているといったものがあります。
実際には存在しない物件やすでに契約が決まった物件を好条件で載せ、入居希望者に来店してもらい、ほかの部屋を紹介するといった狙いがあるのです。
この場合は、目当ての部屋を借りることはできないため、おとり物件には注意しておくことが大切です。
おとり物件を見極めるヒント
気になる物件が見つかったときには、慌てて不動産会社へ足を運ぶのではなく、事前に問合せをしてみることが大切です。
細かな条件を確かめたり、現地で待ち合わせをして内見案内をしてもらう提案を持ちかけたりすると、その物件が本当に取り扱われているかどうかが明らかになります。
また、インターネット上の情報からでも、ある程度の見当をつけることが可能です。
たとえば「細かな条件の記載がない」「ほかの物件の写真が使い回されている」「物件の写真が掲載されていない」といった場合には、おとり物件である可能性が高いと判断できます。
気になるようであれば、複数の不動産会社に問合せをしてみるといいでしょう。
コツ5:内見で見ておくべき3つのポイント
物件の契約は、内見をして部屋の内部を確かめたうえで行うのが一般的です。内見は部屋の細かなポイントをチェックする大切な機会であり、部屋探しの成功のカギを握るポイントでもあります。
ここでは、内見で確かめるべきポイントを3つに分けて見ていきましょう。
室内のチェックポイント
室内の内見においては、写真や事前説明だけでは分からない細かな部分に目を向けることが大切となります。まずは、家具や家電を設置するイメージを持ちながら、部屋の幅や収納の広さを実際に測ってみましょう。
また、扉が開く方向やドア・窓の立て付けなども確かめておくことが重要です。必要に応じて、間取り図にメモを書き込んでおくと、後から見たときに部屋の内部を思い出しやすくなります。
さらに、遮音性や日当たりなども内見で確かめられるポイントのひとつです。隣や上下の部屋の音が聞こえてこないかどうか、日中の日当たりはいいかなど、丁寧に確かめていきましょう。
建物全体のチェックポイント
建物全体については、管理がきちんと行き届いているかどうかを確かめる必要があります。階段や廊下の状態、ゴミ置き場の清潔さなどを通して、管理の状態をチェックしておきましょう。
また、セキュリティが気になる場合は、建物の玄関だけではなく、裏手にも回って柵の高さや侵入経路になりそうな箇所がないか確かめておくことが大切です。
周辺環境のチェックポイント
立地にこだわって物件検索を行ったつもりでも、内見をしてみなければ分からないポイントはいくつかあります。たとえば、「近隣の治安や雰囲気」「駅までの経路」などは、内見のタイミングで確かめられる重要な点です。
近隣の様子やほかの入居者については、不動産会社の担当者に教えてもらえることもあるため、気になる点があれば遠慮をせずに質問してみましょう。
事前の情報収集が部屋探しを成功させるコツ
- 部屋探しのスタート時期は入居の1~2ヶ月前が目安
- 家賃、立地、間取り、こだわり条件の順に部屋の条件を絞り込む
- 家賃や初期費用を安く抑えるコツを知っておく
- おとり物件を見極める手段を確かめておく
- 内見は大きく分けて3つのポイントを意識しておく
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